ブレードランナー2049

f:id:tianbale-battle:20171031005226j:image

 

IMAX3Dで鑑賞。

昔は週一ペースで映画を見ていたのに、ここ数年は全然見ておらず。最後に見たのはなんとマッドマックス怒りのデスロード以来、約2年ぶり!IMAXで映画を見たのはアバター以来で、音響と映像の進化に驚いた次第。大迫力の音響と立体映像を見るだけで元を取れたぐらい、大満足でした。

 

ここ数年は私生活や仕事でいっぱいいっぱいで、小難しそうな映画は意識して避けてきたんだけど、ひさびさに見ました、小難しそうな映画。見る前は真剣にアトミックブロンドにしようかと悩んだぐらいでした。

 

本作について「優等生すぎる」などの賛否もありますが、監督の名前がデニスと書いてドゥニと読む、名字はヴィルヌーブ、という時点で、もうどっからどう見ても優等生な雰囲気じゃないですか。そんなもん見る前からわかってんだろと、声を小にして言いたいヴィルヌーブ。

※ちなみに本作でヴィルヌーブ童貞を捨てました。他の作品は小難しそうなので以下略

 

前作もそんなに思い入れはなくて、「これがマトリックスなど、後続のSF映画に大きな影響を与えたのかー」ぐらいの感想でした。ただし、レプリカントであるロイの最期だけは、いまだに強烈な印象が残っています。あのかっこよさだけは忘れられません。

 

ちなみに本作もロイに相当するキャラクターが存在し、やっぱりグッときました。前作以上に、ロイの怒りや悲しみがわかる内容となっていて、そこが続編として非常によくできています。でもあんまり神話だとか、AIと人類の未来とは…、などといった、難しそうな感想を語るつもりは毛頭ありません。個人的には、結局この映画が描きたかったのは、ハリソン版「そして父になる」であり、なんだかんだ喧嘩しながらも、マドンナといろんな経験をして、"ひとつ上の男"になって葛飾柴又の実家へと戻る「男はつらいよ」(寅さんはハリソンフォード、マドンナはライアンゴズリング)的なお話で、個人的にはプログラムピクチャーのような楽しさを感じました。

 

思えば前作も、酸性雨降りしきるLAで、無職の中うどんを2杯頼むようなフーテンデッカードが、なんだかんだ周りに(宿敵からも)支えられて、男として、人間として一歩成長し、憧れの女の子と駆け落ちするというお話でした。今回のデッカードも年寄りになっても、やっぱり長年生きていてつらいことがあり、自分のせいでない、周りのせい、環境のせいとはいえ、フラフラとひっそり生きていたデッカードが、マドンナゴズリングとの出会いを通じて、「家族っていいよね」と、父としての自覚を持って葛飾柴又ではなくLAに戻る、そんな粋な一作でした。

 

男はつらいよファンは必見です(だいぶ曲解しているかもしれません)。