龍が如く7 伊勢佐木異人町の想い出
まだ半分ぐらいしかクリアしていないが、初めて龍が如くシリーズを買いました。というかセガのゲームを買ったことが相当久々だったことにいま気がついた。昔はセガサターンからドリキャスも持っていて、根っからのセガファンだった。ドリキャスのシェンムーは大好きで、横須賀生まれだった祖父が、ゲームの映像=横須賀ドブ板通りを見て、再現度に驚いていたのを今でも覚えている。シェンムーはカンフー映画みたいなストーリーで、グランドセフトオートが真似したとも言われる元祖オープンワールドでとても面白かった。ストーリーも泣ける感じだった。
シェンムー I&II 【同梱特典】「シェンムー I&II」両面フルカラーポスター 同梱 - PS4
- 作者:
- 出版社/メーカー: セガゲームス
- 発売日: 2018/11/22
- メディア: Video Game
今まで龍が如くシリーズに触手が動かなかったのは、任侠ものにあまり興味がなかったから。
今回の龍が如く7も同じ思いだったが、舞台がまさかの地元横浜、しかも伊勢佐木町。ゲーム内では伊勢佐木異人町という名前になっている。これは買うしかないと思って今に至る。
でもヤクザにいい印象がないから避けてきたシリーズなわけで。大抵フィクションのヤクザはなぜか義理人情に厚い正義として美化されて描かれるが、現実世界でそんなヤクザを見たことがない。「なにキレイごと言ってんだろう?」という気持ちしか起きず。たしかに人情味がある人はいるにしても、彼らのシノギ=ビジネスとは「人(主にターゲットは女性)の人生を無茶苦茶にして廃人にし、それでもなお破壊する」というもので、文字どおり「骨の髄までしゃぶり尽くす」。そんな人の道を外れた方々、すなわち外道。正義もクソもない非情さですよ。
前にドキュメンタリーでヤクザと憲法みたいな話があって、その内容はたしか、ヤクザに憲法は適用されていないのか?みたいな、暴対法の厳しい取締りを扱ったドキュメンタリーだった。だが俺に言わせれば、憲法を適用したくないくらい、鬼畜の所業してたよなと思う。簡単に言うとアイリッシュマン的な世界観です。
そんなわけで始めた龍が如く7だけど、これが予想以上に面白くてびっくり。しかもヤクザにいい印象がない俺がやっても、すごい楽しく感じる。地元補正なくても、控えめに言って傑作。楽しい連ドラを見るかのように、ストーリーが気になって、進めるのが楽しくて仕方ない。これはゲームという名のドラマ、いや映画と言っていいレベル。
最初は中井貴一が組長役と聞いて、ミキプルーンの優しそうなおじさんが組長なんて、と思ったけどさすが俳優。とても渋い組長さんを演じてます。この変わりっぷりは驚いた。メタルギアソリッドのスネークこと大塚明夫も相変わらず渋くて、かっこいいです。
舞台横浜の再現度も素晴らしく、関内で暮らし続けた俺も認めるほどの、驚きの再現度。
かつて私の父親(建築士)が建てたビルもありました。当時は父に「どうだ、俺が建てたビルだすごいだろ!」と言われましたが、どう見てもビルの立地は風俗店案件で、実際に入居したのも風俗店で、「これじゃ友達に自慢できないよ」と当時は思いましたが、今こうして龍が如くに登場したビルとして、ちょっと誇れるようになりました(笑)
チンピラに絡まれるゾーンも、わりかしリアルでした(笑)子供の頃から伊勢佐木町のゲーセン通いが日課で日々入り浸っていましたが、格ゲーしていたらリアルファイトにも一触即発みたいな光景もよく見ました。他には、他店よりゲーム代金が安いけど、立地がビルの地下にあり、行ったら絶対にカツアゲされると言われた、怪しいゲーセンも伊勢佐木町にかつてありました。
あと、さっきまで遊んでたゲーセンが小宮悦子の夕方ニュース番組で紹介され、麻薬の取引現場として放送されたり。、え、いつのまにか麻薬取引してたの?!ずっといたけど??!という驚き。
でも龍が如くのゲーム内で絡まれるより、今の時代の現実の伊勢佐木町はもっと安全ですw あと、ホームレスはカツアゲしないし、昔のホームレスにはたしかに当たり屋がいたけど、カツアゲするのは見たことない。いまは年老いたホームレスしかいないから、当たったら普通にあの世に昇天するからなのか、当たり屋は激減、というかいないです。そもそもホームレスは基本平和主義者ばかりで、保険もなく医療機関にも行かない人が、暴力をふるうリスクも取りません。
ゲーム並みに危なかったのは20年以上前。いまはだいぶ平和になりました。昔はこのゲームみたいにけっこう絡まれたんじゃないかと。昔は族が伊勢佐木町の歩行者天国を占拠してることもあったし、ヤクザの銃撃事件もあった。
紅白に出場し日本を代表するストリートミュージシャンとなった某シンガーソングライターも有名だが、彼らは路上演奏していた時代、母校の中学校のジャージを着て演奏していたことは有名。この中学校は、ヤンキー進学校の強豪としても有名で、昔ここの生徒にカツアゲされました(笑)だからあの恐ろしい時代の伊勢佐木町で、たった2人で路上ライブするなんてやたら勇気あると思ったら、母校が強豪校、そういうカラクリだったんすよ…。
ゲーム内では伊勢佐木異人町と呼ばれる通り、私の数少ない親友も韓国、中国、フィリピンなど多国籍。親友はお金持ちの子どもが多かったが、ゲームの中では身寄りのない移民二世の受け皿として水商売があると描かれていた。これは現実で、未だにそういう所は多い。ゲームの中でも、白と黒に分けられない、グレーなところで生きる人々が描かれるが、伊勢佐木町近辺に住む人にとって、グレーな世界は日常だ。かつての飲食店形態の風俗店、赤線地帯はなくなったが、それでも万引き家族のような世界観はまだ残っているのが伊勢佐木町だ。
伊勢佐木町近辺は笑点の故・桂歌丸師匠の地元でもある。歌丸師匠も実家は風俗の元締めとかだったと思う。
歌丸師匠は人情味溢れる落語家として有名だが、伊勢佐木町も恐ろしい側面を持ちながらも、実は人情味溢れる街でもある。俺はこの街の人の優しさに救われることが何度もあった。どんな職業だろうが、どんな国籍だろうが、なぜか人情味のある人が多い、そんな不思議な街。ゲーム内でも、性格の悪いソープ店長が実は人情味ある優しい人だったエピソードがあるが、あんな感じで一見リアリストでキツイんだけど、実は優しい人が多いのが伊勢佐木町近辺の人々の特徴です。そんな伊勢佐木町の良い特徴をよく見つけてしっかりよく描いている、本当にいいゲームだと思います。これからも楽しみに進めますよ!