龍が如く7をクリアしてルーツと向き合う

 

龍が如く7 光と闇の行方 - PS4

龍が如く7 光と闇の行方 - PS4

  • 発売日: 2020/01/16
  • メディア: Video Game
 

 

ついにクリアしました、龍が如く7。

アラは多少あれど、なかなか泣けるストーリーでした。ゲーム的にも、昔ながらのRPGゲーで懐かしい気持ちになりました。昔は当たり前にやっていた、ボスを倒すためにレベル上げをする行為がとても久しぶりで新鮮に感じましたよ。

 

ストーリーは最後まで「伊勢佐木異人町リスペクト」になっていて、どうしたSEGA?と心配になるぐらい伊勢佐木異人町への愛に溢れた終わり方でした。主人公・春日一番の人情味ある性格、国際色豊かな仲間たちとの友情なども心地よく、これは確かに横浜伊勢佐木町そのものだと思いました。本当にこんな感じです。

 

ちょっと話が変わるようだが、つながりのある話。

ここ最近はコロナショックで世の中も大変なことになってきている。コロナウイルスそのものの怖さだけでなく、人の本性を暴き出してしまう点。ここまで無能だったのか安倍政権!という驚きと、芸能人の恐ろしい発言。

 

安倍政権に関しては言わずもがな。布マスク2枚送付とか、他の先進国が行う個人向け現金補償を一切やらないといった、リーダーシップの無さどころか、日々の政権の運営能力の無さが露呈。

芸能人の恐ろしい発言は、岡村隆史の風俗嬢発言。本気でドン引きした。いい年の大人が、自分の稼いだお金で風俗行くことはぜーんぜん自由なんです。好きならどんどん行けばいいと思う。あの発言が恐ろしいのはいい年の男が風俗に行くこととか、女性が風俗の仕事をするといった話ではない。岡村隆史自身が言った通り、「岡村隆史自身が、コロナショックによって経済的に困った美しい女性たちに対して、一時的に風俗嬢の仕事をやることを待ち望み、楽しみにしている」という箇所。

 

https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/04/27/kiji/20200427s00041000298000c.htm

ここは絶対、何か、何か乗り切れるはずなんですよ。だから、今おもしろくなかったとしても、これ、コロナが収束したら、もの凄く絶対おもしろいことあるんです。ほんで、なかなかね、苦しい状態がずっと続きますから、コロナ明けたら、なかなかのかわいい人が短期間ですけれども、美人さんがお嬢やります。これ、何故かと言うと、短時間でお金をやっぱり稼がないと苦しいですから、そうなった時に今までのお仕事よりかは。これ、僕3カ月やと思っています。苦しいの、3カ月やと思います。3カ月の間、集中的にかわいい子がそういうところでパッと働きます。で、パッとやめます。それなりの生活に戻ったら。だから、コロナ明けた時のその3カ月、3カ月は今まで『えっ?こんな子、入ってた?』っていうような人たちが絶対、入ってきますから。はい、だから今、我慢しましょう。今は本当に我慢して。はい、コロナ明けた時に、われわれ風俗野郎Aチームみたいなもんは、この3カ月、3カ月を目安に頑張りましょう。そのために今、我慢して、風俗に行くお金を貯めておき、そして、いろいろ仕事ない人もアレですけども、切り詰めて切り詰めて、その時の3カ月のために頑張って、今、歯食いしばって踏ん張りましょう。そうしたら、コロナ明けた時に、その3カ月、見てみ?行ってみ?『えっ?こんな子、入ってた?マジっすか』。でも3カ月やで、その子らも。パッてやって、パッとやめるから。それだけはもう、たぶんそうなんじゃないかと。僕は、僕はそれを信じて今、頑張っています」

 

岡村隆史にとっては、これが面白いことで楽しみらしい。

 

先に書いた安倍政権もそうなんだけど、なぜ、彼らはここまで人に対して冷たくなれるのか?

 

緊急事態宣言によって、仕事がなくなる人が増えていく中、なぜ安倍政権は20万以上の現金補償をすぐに行わないのか?

なぜ、100年に1度レベルの死に至る感染症と大不況によって、風俗で働かざるを得ない人を「楽しみ」と思えるのか?

 

 

闇金ウシジマくん (46) (ビッグコミックス)

闇金ウシジマくん (46) (ビッグコミックス)

  • 作者:真鍋 昌平
  • 発売日: 2019/05/30
  • メディア: コミック
 


ウシジマ君はフィクション成分少なめの超リアル路線で描いた、実録日本近代史だ。ウシジマくんの風俗関連エピソードを読んでみてほしい。好き好んで風俗をやる人はあまりいない。これをもっと具体的に言うと、日本は本人の自由意志で風俗を選んだように見せかける世の中になっている、が正しい。それでもなお、岡村のあの発言を擁護できるのか、よく考えてみてほしい。岡村の発言に対して批判すると、「表現の自由を妨げている」「風俗嬢を差別している」といった、表現の自由論、差別反対論を被せてくる奴らがいるが、前に書いた通り、ウシジマくんのエピソードを思い出せばこの反論がいかに詭弁で、どれだけ冷酷な内容なのかがよくわかる。

 

龍が如く7に描かれるのも、水商売や風俗産業がメインとなる。美化されすぎとはいえ、社会の中でのセーフティネットになっている描写がある。実際に伊勢佐木町辺りに住んでいると、本当にどうにもならずに追い込まれた人(DVを受けた人や離婚によって収入がない人など)が、水商売や風俗産業で働かざるを得ない光景をよく目にした。よく目にした、どころではない。それが当たり前の日常として自分の生活に存在していた。当然、好き好んで風俗やりたい、水商売やりたいなんていう人は、あんまり見かけない。向き不向き、好き嫌いもあるだろうが、基本はみんな金のためにやっていた。金があったらやらない人がほとんどです。これが個人の自由に見えますか?そんわけない。

 

龍が如く7はそのあたりがちゃんと描写されていたのでリアリティがあったわけだが、そういう辛い環境に置かれた人の中でのほんの少し芽生える優しさ、プライドみたいなもんが描かれていたわけで。

 

思えば伊勢佐木町近辺のヤクザやホームレスだらけの街で育って、ある時からヤクザが本当に大嫌いになった(それは今も変わらないけど)。もううんざりしてしまって。義理人情だ任侠だなんてのはフィクションの中だけで、実態は金を稼ぐことだけ。

ゲームに出てくる若のように、自分の環境を変える意味で、意地で学歴をつけていったが、気がつけばそれなりの会社に入っても、日本という国の中ではどこも大して変わらなかった。つまり、ヤクザのような生死には関わらないけど、サラリーマンもその内情や振る舞いはヤクザとまったく同じだということ。ヤクザと変わらぬ上下関係、物言わぬ体育会系が重宝される。一見立派に見えるから表からは見えないが、日大アメフト部のような、ああいう体質の会社が日本はまだまだ多い。あの体質で出世だけを考える組織ばかりな訳だから、日本国の大元の安倍政権、日本の官僚の関係も、おそらく似たり寄ったりなんだろう。だから森友学園みたいな事件が起こる。

 

そう考えると、俺が育った街はたしかに犯罪者やはみ出し者の多く、危険な街ではあったが、だからこそ弱者の気持ちをわかる人がとても多かった。日本の中ではみんな弱者であったり、みんな弱い立場にいる人たちだったから。それは女性であったり、外国人であったり。今回の龍が如く7は、そういうこと想い出を思い出させてくれた。

 

安倍政権や岡村のような奴らにどう立ち向かうのか、ということも龍が如く7ではアンサーとしてちゃんと描く。それはチームを組んで団結して戦え、ということ。

 

本当、ちゃんと発言して、ちゃんとした政治家を選ぶことは大事。政治にまで飛躍したが、これはゲームの話。それぐらい素晴らしいストーリーだった龍が如く7。SEGAさん、続編も地元伊勢佐木町をよろしく!